日銀がETFを売るってどういうこと?──100年かける理由とその背景

From.NISHIYAMA

「日銀がETFを売り始める」

──そんなニュースが飛び込んできました。

ETFって聞くと
「投資家が売ったり買ったりするやつでしょ?」
と思うかもしれません。

ところが、日本の中央銀行までが
このETFを山のように抱えていたのです。

そして今回、植田総裁は
記者会見でこう言いました。

「単純に計算すれば、
売却するためには100年以上かかる」

もはや私たちどころか
孫の代でも終わらないかもしれません。

ではなぜそんな長い時間をかけて
“ゆっくり返す”のか?

そしてそもそも日銀は
なぜETFを買っていたのか?

投資に関心のある方にとっては、
絶対に理解しておかなければいけない内容です。

そもそもETF・J-REITとは?

ETFは「株の詰め合わせパック」。

日経平均ETFなら、日本を代表する225社の株を
ひとまとめに買える便利セットです。

もうひとつ、
日銀が買っていたのがJ-REIT。

ビルやマンションの家賃収入をみんなで分ける、
いわば“不動産版おすそわけファンド”ですね。

日銀がこれを買えば、市場全体にお金が流れ、
株価や不動産価格がドスンと下がるのを防げるわけです。

なぜ日銀がこんなことを?

きっかけは2008年のリーマンショック。

株価は8000円台、
円は70円台まで急騰。

株価は大暴落し、企業は投資をやめ、
家計もお金を使わなくなりました。

「このままでは日本経済そのものが冷え切ってしまう」

そんな危機感から、日銀は動きます。

「株価で不安を支えて、景気を安定させよう」

そこで始まったのが、
黒田総裁のもとで行われた「異次元の金融緩和」。

ETFやJ-REITを大量に買い入れ、
株や不動産の値崩れを防ぎ、
市場に安心感を広げる狙いがありました。

その効果はすぐに現れ、株価は持ち直し、
企業は設備投資を再開。

「下支えがあるなら大丈夫だ」と
市場が落ち着きを取り戻しました。

気づけば“日本最大の株主”に

この政策は10年以上続き、
結果として日銀は巨大な株主に。

  • ・簿価(日銀が買ったときの値段)で約37兆円
  • ・時価(いま売ったらいくらになるか)で約70兆円
  • ・含み益は約46兆円

東証プライム全体の7%超、
上場企業の約10社に1社で主要株主。

まさに「日本市場の最大級のプレイヤー」となりました。

「市場最大の株主」からの“売り宣言”

ここ数年、市場の最大の関心事はただひとつ。

「買い入れたETF、どうするつもり?」

いわゆる出口戦略です。

市場と日銀は、
まるで睨み合いを続けているかのようでした。

そして今回、ついにその答えが出ました。

景気はコロナ後に回復し、
日経平均も最高値を更新。

日銀は「もう買い支える必要はない」と判断しました。

ただし一気に売ればパニックになる──
そこで決まったのが、

  • ・年間3,300億円
  • ・市場全体の0.05%

という、超スローペースでの売却計画。

単純計算で100年以上かけて
少しずつ市場に戻していくシナリオです。

市場最大の株主からの売り宣言に
日経平均は一時800円下落。

しかし「ペースは非常に緩やか」とわかると、
株価は落ち着きを取り戻しました。

つまり今回のインパクトは心理的なもので、
実際の影響はごく限定的です。

まとめ

ここまでのポイントを、あらためて整理しましょう。

  • ・日銀がETFを買ったのは、デフレ脱却のため
  • ・その象徴が「異次元の金融緩和」
  • ・最大の問題は「出口戦略」だったが、今回ついに動き出した
  • ・売却ペースは市場の0.05%、影響は限定的
  • ・含み益は約46兆円、将来は国の収入になるかも

つまり今回の発表は、
市場最大の株主からの“売り宣言”。

株式市場はついに、次のステージへ進むための
一歩を踏み出したと言えるのではないでしょうか。

明日、西山タイムズで続編を配信します

日銀がどの銘柄をどれくらい持っているのか、
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